2014/09/18(Thu) 23:10 No.896
Re: エゾアジサイのゴール一式 投稿者:Nabita
ついでに、エゾアジサイの蕾〜果実のゴールについて述べます。エゾアジサイの花器には、写真の左列のように果実部分は膨らまず花冠が閉じたもの、中列の花冠は閉じたままなのに果実部分が膨らんだもの、右列の開花結実後に果実が膨らんだもの、という3パターンのゴールが見られます。
寄主植物:
撮影年月日:年月日/
2014/09/18(Thu) 23:11 No.897
Re: エゾアジサイのゴール一式 投稿者:Nabita
中列の状態のものを割ると、花冠部と果実部の両方にタマバエ幼虫がいます。花冠部側の幼虫は発育が早く、今時分になると既に脱出しているものも少なくありません。果実側のゴールは果実内部が綿状のもので充満しており、それに包まれた幼虫はC字状に体を曲げています。
上の写真の、左列は花冠部だけがゴールになったもの、右列は果実部だけのゴールということになります。
南さんの「北海道の虫えい」のエゾアジサイハナフクレフシは、花冠が残っていて、果実部に幼虫がいたということですので、両方がゴールになっていたものから、花冠の幼虫が脱出した後のものではないかと考えているものの、道北ではゴールの様相が異なることも十分考えられます。
寄主植物:
撮影年月日:年月日/
2014/09/18(Thu) 23:12 No.898
Re: エゾアジサイのゴール一式 投稿者:Nabita
さらにしつこく、エゾアジサイのゴールを続けます。越冬芽のはずなのに、発育しているものがありました。
寄主植物:
撮影年月日:年月日/
2014/09/18(Thu) 23:13 No.899
Re: エゾアジサイのゴール一式 投稿者:Nabita
狭い管瓶に入れて採ってきたところ、蒸れたのか酸欠になったのか、その両方かもしれませんが、解剖するまでもなく、グロッキー状態の幼虫が芽の表面に出てきていました。このゴールの中心側の鱗片は褐色に腐敗していましたが、もっと若いゴールでは、中心近くの鱗片は肥厚し、鱗片の間に幼虫が挟まっていました。
寄主植物:
撮影年月日:年月日/
2014/09/23(Tue) 00:11
No.902 
Re: エゾアジサイのゴール一式 投稿者:南 常雄
Nabitaさま、エゾアジサイのゴールのご投稿ありがとうございます。
19日からハチジョウナハフクレフシの観察に行き、今日帰ってきました。
こちらで観察したエゾアジサイの花のゴールは、Nabitaさんの中列のゴールに該当しそうです。こちらでは数が少なくて、その後の観察ができていませんが、他の列のゴールもあるのかも知れません。
飼育によるハチジョウナハフクレフシのゴールは第3世代のゴールから脱出した幼虫は羽化しませんでしたので、この幼虫が越冬世代ではないかと思います。苫前町のゴールは各世代とも飼育より遅れて形成され、一昨日の観察では、ゴールは成熟して中の幼虫も3齢に達し、一部脱出したものもありました。ハチジョウナの花が満開で、新しい葉の生長が望めないことから、産地でも以後のゴール形成は難しいと思います。
2014/09/23(Tue) 21:32 No.904
Re: エゾアジサイのゴール一式 投稿者:Nabita
南さま、コメントありがとうございます。中列のものがあるということは、左列・右列も当然あるものと考えられます。こちらでは、花冠が開いていない状態のものは、どの花序にでも見られる位の頻度であります。一方、果実部が膨れるのは、産地によっては見られないような気がします。花冠が開いていないものは、秋遅くなってからでも、中に寄生バチの脱皮殻や死亡虫が残っていることがしばしばありますので、そういうものがあれば花冠のゴールであったことを追認できると思います。メフクレの方は、南さんのお目に触れていないのであれば、道北にはない可能性が高いですね。
ハチジョウナハフクフシは、自分では三沢市と北隣の六ケ所村でしか見ていません。9月7日に、三沢で新しいゴールを見ましたが、既にホストの開花・結実が見られていたので、青森でもこれが越冬世代になるよう思われました。
2014/10/13(Mon) 19:29 No.945
Re: エゾアジサイのゴール一式 投稿者:湯川淳一
Nabita様: エゾアジサイのゴール一式に付いて、コメントが大変遅くなり失礼致しました。これは、南さんのコメントのように、エゾアジサイハナフクレフシ C-2963 だと思います。産卵のタイミングで、ゴールになる場所が微妙に異なることが良くあります。このゴールは、北海道だけで知られていましたが、Nabitaさんの発見で、青森県にも分布していることが明らかになりました。
蕾全体が肥大して倒円錐状になるツルアジサイハナフクレフシ C-2965 と言うのを南さんが発見されています。これも北海道だけの記録です。
いずれのタマバエも属は不明です。成虫を羽化させることが出来ると良いのですが。