2015/07/25(Sat) 07:43 No.1629
Re: ゴールか妄想か 仮称ミヤマガマズミミクサレフシ!? 投稿者:Nabita
1個目の褐変果実の片面の果皮を剥ぎ、褐変・軟化した果肉をかきまわしても、何も虫はいません。2個目の褐変果実は、チョウ目の幼虫などであれば、種子部を食べていることもあろうかと、ピンセットで雑に二つ割にしたところ、果皮が剥がれた所にタマバエの幼虫が1頭見えました。まさかと思い、1個目の果実に戻り、反対側の果皮を慎重に剥くと、はたしてタマバエ幼虫が1頭います。残り2個の褐変果にも、それぞれ1頭ずつタマバエ幼虫が果皮の下にいました。
果肉が褐変していて、腐敗しかけているように見えるので、これは腐食性のタマバエの幼虫なのでしょうか? そうだとしても、4個だけとは言え、例外なく1果1頭の幼虫なのは、腐食性としては、多分に神経質のように思えます。
一緒に採って来た、緑色と一部のみが褐変した果実は、果肉がよりしっかりしていることもあるでしょうが、果皮を剥いでも、中には何も見当たりません。
現地に残してきた褐変果実もあったことから、8日後の7月15日に再度訪れましたが、前回と同じ個体と思われる木に、乾固した褐変果が1個だけ残っていました。これは、乾いていたこともあり、内部にタマバエ幼虫がいたかどうかはわかりませんでした。もちろん、正常な緑色の未熟果実は、沢山残っていて、それには何もいません。
寄主植物:ミヤマガマズミ
撮影年月日:2015年7月7日/青森市(旧浪岡町)
2015/07/25(Sat) 07:47 No.1630
Re: 妄想再び 仮称ガマズミミクサレフシ 投稿者:Nabita
このことがあったので、24日朝の投稿のように、ガマズミ属植物について、不稔果をはじめとした、非正常な色彩・形態の果実にそれぞれどのような特徴があるのか、どの時点で生理落果するのか少し観察していました。
その結果、ミヤマガマズミにはしばしば乾固した褐変果が果序にみられるものの、同様のものは、ガマズミ、カンボク、オオカメノキなど、他の樹種には見られないことが、海の日の連休までの観察でわかりました。ミヤマガマズミのみに見られた、乾固した褐変果は、水戻ししたりしても、果肉部に虫がいたかどうかはわかりませんでした。これで手詰まり、事の真相は来シーズンを待つしかないと思っておりました。
7月24日午後は青森市への出張があり、帰りに青森空港近くの山林にちょっと寄りました。ガマズミの結果樹があったので近寄って見ると、何とまだ瑞々しい褐変果が果序に着いています。果序の一部ごと、ビニール袋に入れて持ち帰りました。持ち帰った袋を開けたところ、褐変果は2個のみが果梗に残っていて、他の9個は脱落しており、やはり少しの物理的衝撃で落果しやすいことがわかりました。
寄主植物:ガマズミ
撮影年月日:2015年7月24日/青森市(旧浪岡町)
2015/07/25(Sat) 07:49 No.1631
Re: 妄想再び 仮称ガマズミミクサレフシ 投稿者:Nabita
いよいよ褐変果の解剖ですが、果皮を剥ぐと、やはりタマバエ幼虫がいるではありませんか! 幼虫がいる場合は1果1頭とミヤマガマズミの場合と同じで、複数入っているものはありません。もっと具体的には、4個の褐変果から幼虫1頭ずつが確認され、まだ果肉に一部緑色が残っていた2個、正常と考えられる緑色果では幼虫をみつけられません。褐変果の残り5個は果実ごとアルコール浸けにしました。
途中で気が付いたので、それ以前に解剖したものでははっきりしませんが、幼虫がいるのは果実の膨らみが弱い方の面でした。
このガマズミが生えていたのも、青森市の旧浪岡町内ですが、ミヤマガマズミの場所とは直線でも10km余り離れており、ホストの植物も近似種とはいえ、別種とされるものです。タマバエ幼虫の方は、外見的にも同種か極めて近い関係のものではないかと思われます。DNAの比較などが上手くできればと願っておりますが、得られた幼虫は両者とも2齢と思われるので、困難も予想されます。
これらをゴールと見做し得るかは判断に困るところですが、とりあえず投稿タイトルどおり、ミヤマガマズミミクサレフシ、ガマズミミクサレフシという半ばやけくそな名前を考えております。
寄主植物:ガマズミ
撮影年月日:2015年7月24日/青森市(旧浪岡町)
2015/07/29(Wed) 18:23 No.1637
Re: ゴールなのか妄想なのか 仮称ミヤマガマズミミクサレフ... 投稿者:湯川淳一
Nabita 様: ミクサレフシとは恐れ入りました。観察された実の中に入っていた幼虫の齢構成はどのようなものだったでしょうか? 1齢幼虫の時から、実は腐っていますでしょうか? 私の想像では、幼虫の齢期が進むにつれて、実が腐り始めるのではないでしょうか? 最初から実を腐らせるとは、考えにくいです。もちろん、腐食性タマバエではなく、植食性のタマバエでしょうね。虫えい和名は、このタマバエの生活史が分かってから、考えましょう。
2015/07/29(Wed) 20:44 No.1638
Re: ゴールなのか妄想なのか 仮称ミヤマガマズミミクサレフ... 投稿者:Nabita
湯川先生、判定に困るものへのコメントありがとうございました。
幼虫の齢期は、私が見た感じでは、ミヤマガマズミのもガマズミのも、いずれも全て2齢と考えられました。部分的に褐変しているものには1齢がいたのかもしれませんが、半透明の幼虫が崩れかけた果肉の上にいるのであれば、見つけられなかったおそれが高いです。妄想を逞しゅうするのを許していただけるなら、褐変果は脱落しやすいことから、乾固して宿在するものを除けば、3齢頃になると自然に落果するのではないかと考えています。