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2016/08/19(Fri) 21:33 No.2393
ナガサキオトギリの虫えい 投稿者:Tominaga

以前、岡山県津山市でみつけたサワオトギリ(オトギリソウ科)の虫えいについて投稿させていただきましたが(No.2143)、奈良県においても同様の虫えいを確認しましたので報告します。
三峰山の標高900から1200mの山地樹林内に生育するナガサキオトギリの根元に、サワオトギリでみつけたものと同じ虫えいがみつかりました。両者は似ていますが、サワオトギリは日本海側、ナガサキオトギリは太平洋側に分布し、奈良県では北部にサワオトギリ、南部にナガサキオトギリが分布するとされています。形態や生態からみて今回確認したものはナガサキオトギリとしました。両者の虫えいは形状がそっくりなので同じ形成者によるものと思います。
虫えいは節に対生についていることが多く、おそらく腋芽がふくらんだものと考えられます。形成場所は茎の基部付近のほか、地表面や土中に埋もれているものもありました。また、奇主がやや乾いたところに生育する場合は虫えいがあまりできていませんが、適度に湿ったところに生育する場合には多くの虫えいができているようでした。なお、近くにオトギリソウが生えていたので調べてみると、わずかに1個だけみつかりました。ナガサキオトギリは根元が短く這うことが多いですが、オトギリソウは立っていることが関係しているのかもしれません。虫えいを開けてみると、白色の幼虫が1匹ずつ入っていました。形状から見てハエ目のようですがよくわかりません。
この虫えいは長野県(日本草本植物根系図説)、岡山県および奈良県でみつかっていることから、広範囲に分布しているものと考えられます。


寄主植物:ナガサキオトギリ
撮影年月日:2016年8月11日/奈良県御杖村
 

2016/08/19(Fri) 22:34 No.2394
Re: ナガサキオトギリの虫えい 投稿者:湯川淳一

Tominaga 様:ナガサキオトギリの虫えいをお送り頂き誠に有難うございました。早速、虫えいを解剖して検鏡しましたところ、乳白色のタマバエ3齢幼虫が入っておりました。胸骨が細長く、スマートで、先端の1対の突起もシャープに尖っていました。これまで、私も見たことのない幼虫です。この虫えいの存在は、すでに、知られていたようですが、タマバエの一種が形成した虫えいだと判明したのは、今回が初めてではないかと思います。ナガサキオトギリクキコブフシ C-2813a としておきましょう。サワオトギリでも幼虫が確認されましたら、サワオトギリクキコブフシ C-2813b とします。

このゴールの状況は、テイカカズラの気根に形成されるテイカカズラネコブフシによく似ており、恐らく、幼虫は脱出せず、虫えい内で蛹化し、成虫は、直接、羽化する可能性が高いです。年に複数世代あるかもしれません。成虫を羽化させる機会があるかもしれませんので、この次に採集する機会がございましたら、しばらく飼育し、ぜひ、成虫を羽化させて見て下さい。新種の可能性大です。大変珍しい虫えいを有難うございました。


2016/08/20(Sat) 15:40 No.2395
Re: ナガサキオトギリの虫えい 投稿者:Tominaga

湯川先生、お忙しいところ検鏡していただき、また、命名をしていただきありがとうございました。
確認場所には今後も行く機会がありますので、さらに観察を続けようと思います。採取・飼育して羽化させるのは難しいと思いますが挑戦してみます。
また各地でみつかることを期待しております。


2016/08/16(Tue) 22:01 No.2388
ハンノキの虫えい? 投稿者:Tominaga

ため池の水際に生えていたハンノキの葉が写真のようになっていました。これも虫えいと呼んでよいものでしょうか?

寄主植物:ハンノキ
撮影年月日:2016年8月5日/兵庫県神戸市
 

2016/08/17(Wed) 00:14 No.2389
Re: ハンノキの虫えい? 投稿者:南 常雄

Tominaga様、ご投稿ありがとうございます。
フシダニによって形成される、ハンノキハオモテケフシまたはハンノキハシロケフシという虫えいがありますが、このように葉が巻くか分かりません。
中に白色の毛が生えているように見えますが、中の様子はどうなっていますか。


2016/08/17(Wed) 22:09 No.2392
Re: ハンノキの虫えい? 投稿者:Tominaga

南常雄 様、ご質問の件ですが、仕事中で慌てて写真だけ撮って中を詳しく見るのを忘れていました。白色の毛はなかったように思いますが、10月にも同じ場所に行く予定がありますので、その時には詳しく見ておくようにします。
情報がほとんどなくてすみませんでした。


2016/08/16(Tue) 00:05 No.2387
ミミナグサメフクレフシ 投稿者:南 常雄

 2016/07/16 No.2325 で投稿した第一世代のゴールは、初夏に花を咲かせる茎の根元、または地表をはう茎からのびる側枝の頂部に形成されていました。この時は、3齢幼虫の標本をとるだけで飼育にまわすほどの幼虫を採集することができませんでした。
 第二世代のゴールは5〜10cmに伸びた実生の頂部に形成され、第一世代のゴールより数が多く、100個ほど採集できました。ゴールから脱出した数十匹の幼虫を採取し、飼育することができます。まだ寄主の生態を確認できないので、7月中旬に採取した種子をビニールポットに蒔いて、実生の生長を調べています。第三世代のゴール形成があるのか、継続して観察をします。


寄主植物:ミミナグサ
撮影年月日:2016年8月14日/北海道旭川市
 

2016/08/25(Thu) 11:37 No.2405
Re: ミミナグサメフクレフシ 投稿者:湯川淳一

南 常雄 様:ミミナグサメフクレフシの新しい情報を有難うございました。第2世代を確認された由、何よりに存じます。今回は、幼虫をたくさん採集できそうだそうで、成虫の羽化を楽しみにしております。また、第3世代の有無にも、大変興味がありますので、それも楽しみにしております。

2016/08/25(Thu) 22:26 No.2407
Re: ミミナグサメフクレフシ 投稿者:南 常雄

湯川先生、コメントをたまわり、ありがとうございます。
昨日より第二世代の羽化がはじまり、雄成虫を4匹採取できました。ゴール採集から毎日のように幼虫が脱出し、10日を過ぎた現在も続いています。多化性の形成者に見られる傾向ですが、代を重ねることで成長度合いにずれを生じて、羽化の期間が長くなるのではないかと思います。


2016/08/29(Mon) 19:36 No.2413
Re: ミミナグサメフクレフシ 投稿者:湯川淳一

南 常雄 様:世代を重ねるたびに、羽化期間が長くなるのは大変興味があることです。発育を完了するのに必要な、発育0点より高い、発育有効積算温量が個体によって異なる可能性がありますので、世代とともに、ズレが増幅されていくのです。多くの昆虫で見られることと思いますが、成虫期の寿命の短いタマバエでは、個体群の時間的な分散につながり、交尾率が低下して、増殖率が下がるおそれがあります。このことを
野外のデータで示せると、面白い生態学の論文になるのですが。若い研究者の挑戦に期待したいと思います。


2016/08/30(Tue) 08:31 No.2414
Re: ミミナグサメフクレフシ 投稿者:南 常雄

湯川先生、ご教示ありがとうございます。
8月12日に採集したゴールから、3齢幼虫が12〜24日に163匹脱出しました。最初の羽化は8月24日で、28日までに18匹の羽化がありましたが、すべて雄でした。16〜18日は幼虫の脱出が数匹だったので、28日までに羽化している成虫が、12〜15日の間に脱出した幼虫から羽化したものと考えると、幼虫脱出と羽化は比例的だと思います。
21〜24日に、幼虫脱出のピークかあり、この間に100匹以上の脱出が集中しました。この幼虫からの脱出が週末には始まると思いますが、雌雄がそろいましたら標本をお送りします。


2016/08/13(Sat) 14:14 No.2383
事務連絡 投稿者:南 常雄

 昨日から今日にかけて、異常なアクセスがあり、一部のデーターが表示できなくなりました。データーファイルの破損が懸念されましたが、幸い修復することができました。今後のこのような事態に備え、ご利用の皆様には、ご必要な写真や記事をコピーして保管していただくように、お願いいたします。
 また異常なアクセスが原因で、データーの送受信に時間がかかるようになっていますので、この際、サーバーを変更することを検討しています。その時は、事前に連絡をいたしますが、動作を確認するまで掲示板を閉鎖いたしますので、よろしくお願いします。
 

2016/08/13(Sat) 10:35 No.2381
奈良県のハナイカダミフクレフシ 投稿者:Tominaga

先日、小川さん(No.2310)が報告されましたハナイカダミフクレフシ(C−4150)を奈良県において確認しましたので報告します。
虫えいには脱出孔が開いており、蛹の抜け殻が残っているものもみられました。その他、一部はすでに腐っているものや、白いカビ?がついているものがありました。正常に成熟し濃い紫色になった果実が数個ありましたが、よくみると部分的に緑色が残っているものもあり、割ってみましたが幼虫は見あたりませんでした。
その他、クサギの葉にクサギハコブフシ(D−0400)、シラカシの葉にカシハイボケフシ(C−1570)も確認しました。


寄主植物:ハナイカダ
撮影年月日:2016年7月31日/奈良県三郷町
 

2016/08/14(Sun) 11:45 No.2384
Re: 奈良県のハナイカダミフクレフシ 投稿者:湯川淳一

Tominaga 様:ハナイカダミフクレフシ(C−4150)のご投稿を有難うございました。奈良県からは初めての発見です。この時期まで、蛹殻が虫えいに残存しているのは長い方です。蛹殻は、分類学的にも、生態学的にも重要な情報を残してくれますので、私たちは、いつも、頭部を壊さないように慎重に虫えいから引き抜いて、75%エタノールに保存しておきます。とくに、蛹の顔面や背面の突起や刺毛、前胸の気門の長さなどは、分類の重要な手がかりとなります。腹部の長さもメスの方が長い傾向がありますので、蛹殻から、成虫の性比が計算できそうです。また、生態学的には、正常実と虫えい実の比率を調べるのにも便利ですし、蛹殻の付いていない小さな羽化孔は、寄生蜂の羽化孔だと思われますので、寄生率の調査もできます。子供達の夏休みの宿題には、研究格好の材料です。

それにしても、このタマバエ(ハリオタマバエの一種 Asphondylia sp.)は、羽化してから、どの植物に産卵するのでしょうね。ハナイカダの花は来年までありませんから、生活史を全うするためには、夏寄主や冬寄主を渡り歩く(寄主交代)必要があります。これまで、様々な植物から得られたハリオタマバエ類の DNA とハナイカダタマバエの DNA を比較していますが、未だに、合致するものが見つかっていません。まだ、調査努力が足りないものと反省しているところです。飛翔能力が強い夜行性のタマバエですので、ハナイカダの近くだけではなく、遠いところの植物に虫えいを形成している可能性もあります。

クサギハコブフシ(D−0400)、シラカシの葉にカシハイボケフシ(C−1570)も奈良県からは初めてでしょうね。Tominaga さんが奈良県から、次々と新しいく虫えいを発見されるのに、感心しています。今後ともよろしくお願い申し上げます。



2016/08/14(Sun) 22:23 No.2386
Re: 奈良県のハナイカダミフクレフシ 投稿者:Tominaga

湯川先生、ご教示ありがとうございます。
蛹殻が重要ということですので、今後は採取して残すようにしたいと思います。
奇主交代についてはハナイカダに近縁なミズキ科やアオキ科あたりなのか、まったく異なるものなのか興味がありますね。

奈良県の情報は少ないということですので、今後も報告していきたいと思います。


2016/08/12(Fri) 00:59 No.2375
クロマメノキの虫えい 投稿者:小泉

御無沙汰しております・・・
昨日、浅間山の外輪山である黒斑山で自然観察会を行ったのですが、そこで異様に長く歪なクロマメノキの実を見つけ、割ってみたところ幼虫が入っていたの多分虫えいかなと思い投稿させて戴きました。



寄主植物:クロマメノキ
撮影年月日:2016年8月11日/群馬県吾妻郡嬬恋村
 

2016/08/12(Fri) 01:00 No.2376
Re: クロマメノキの虫えい 投稿者:小泉

内部写真1

寄主植物:
撮影年月日:年月日/


2016/08/12(Fri) 01:00 No.2377
Re: クロマメノキの虫えい 投稿者:小泉

内部写真2

寄主植物:
撮影年月日:年月日/


2016/08/12(Fri) 12:19 No.2378
Re: クロマメノキの虫えい 投稿者:湯川淳一

小泉様:クロマメノキの虫えいのご投稿を有難うございました。私は、これまで、クロマメノキの実の虫えいを見たことがありません。大変興味深い虫えいです。形成者につきましては、写真だけで判断が困難ですので、もし、よろしければ、幼虫標本をお送り頂けないでしょうか? 形成者と寄生者の両方が入っているかもしれません。よろしくお願い申し上げます。


2016/08/13(Sat) 10:41 No.2382
Re: クロマメノキの虫えい 投稿者:小泉

湯川先生

本日、クール便にて10個の果実を送付いたしました。かなり大きな白い幼虫も袋の中を動き回っていますが、これが寄生者なのでしょうかね。


2016/08/14(Sun) 11:47 No.2385
Re: クロマメノキの虫えい 投稿者:湯川淳一

小泉様:クロマメノキの果実をお送り頂いたとのこと、到着を楽しみにしております。オレンジ色の幼虫らしいものと白い大きな幼虫が気になります。

2016/08/10(Wed) 23:42 No.2371
ボダイジュの虫えい? 投稿者:Tominaga

奈良県吉野山で「エゴノキにできた大きな虫こぶ」をみつけた後に、スギ植林内のシナノキ属の低木でみつけました。シナノキ属の種類は、葉裏に星状毛があることからシナノキではなく、また葉脈基部に密毛がないことからオオバボダイジュではないことがわかりました。周辺には寺院が多いので、おそらく植栽されているボダイジュが逸出したものと思います。
虫えいは葉表に角状に伸び、葉裏は突出せず穴に毛が密生していました。このことからオオバボダイジュハツノフシ(C−3970)ではなく、シナノキハツノフシ(C−4010)と思いますがどうでしょうか。


寄主植物:ボダイジュ
撮影年月日:2016年7月18日/奈良県吉野山
 

2016/08/12(Fri) 12:34 No.2379
Re: ボダイジュの虫えい? 投稿者:湯川淳一

Tominaga 様:ボダイジュの虫えいの写真をご投稿下さり有難うございました。私は、フシダニの専門家ではありませんので、確定的なことは言えませんが、虫えいの形状は、ご賢察の通り、シナノキハツノフシに近いと思います。虫えい図鑑のフシダニ担当執筆者の茅根重夫先生によれば、形成者のフシダニは同種の可能性が高いということですから、暫定的に、今回のボダイジュの虫えいをボダイジュハツノフシ C-4010b とし、シナノキハツノフシを C-4010a としましょう。

現在、日本では、本格的にフシダニの分類をする若い研究者がいません。茅根先生の後継者が必要です。


2016/08/12(Fri) 22:00 No.2380
Re: ボダイジュの虫えい? 投稿者:Tominaga

湯川先生、ご教示ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。


2016/08/04(Thu) 21:34 No.2361
ブナの虫えいについて 投稿者:Tominaga

山地で葉をつけたブナの枝が落ちていたので拾ってみると、虫えいが3種類?みつかりました。
その1:葉の裏側の縁にできた丸いものはブナハベリタマフシ(C−1670)でしょうか?


寄主植物:ブナ
撮影年月日:2016年7月16日/奈良県御杖村
 

2016/08/04(Thu) 21:43 No.2362
Re: ブナの虫えいについて 投稿者:Tominaga

その2:葉表にできた角状のものはブナハツノフシ(C−1780)でしょうか?

寄主植物:ブナ
撮影年月日:2016年7月16日/奈良県御杖村


2016/08/04(Thu) 22:01 No.2363
Re: ブナの虫えいについて 投稿者:Tominaga

その3:葉裏の縁にできた角状のものはブナハベリホソフシ(C−1680)でしょうか。

寄主植物:ブナ
撮影年月日:2016年7月16日/奈良県御杖村


2016/08/05(Fri) 18:59 No.2364
Re: ブナの虫えいについて 投稿者:湯川淳一

Tominaga 様:ブナの虫えいについて、ご投稿下さり誠に有難うございました。ブナには、沢山のタマバエゴールが形成され、研究材料としては、大変面白いグループです。長年、ブナのタマバエゴールを研究されている佐藤信輔さんに連絡して、詳しいコメントを書いて貰うことにします。

2016/08/07(Sun) 13:44 No.2365
Re: ブナの虫えいについて 投稿者:佐藤信輔

Tominaga様

初めまして。茨城県農業総合センター園芸研究所の佐藤信輔と申します。
大学院時代に湯川先生の指導の下、ブナを寄主とするタマバエの研究に従事しておりました。
件の3種類のゴールについてですが、
コメント2361のその1の写真のゴールはおっしゃるようにブナハベリタマフシです。
このゴールを形成するタマバエの種名は未同定です。
このゴールは7月頃から目立ち始め、9月には内部の幼虫は3齢幼虫になります。その後、10月には
ゴールが葉から脱落し、地上のゴールの中で蛹で越冬します。このゴールを形成するタマバエの羽化時期
等については不明です。

コメント2362のその2の写真のゴールはブナハツノフシではなくブナハスジドングリフシ
(虫えい図鑑の番号:C-166)です。Mikiola glandariaというタマバエの1種が形成するゴールです。
このゴールはブナの葉表の主脈上に形成されますが、ブナハツノフシはブナの葉表の側脈と側脈の間に
形成されます。また、ゴールの形状もブナハスジドングリフシではドングリ状〜紡錘形であるのに対し、
ブナハツノフシの形状は工事現場でよく見る赤色のコーンのような先端の尖った円錐形です。
ブナハスジドングリフシの先端の形状には若干の地域差があります。
多くの九州産のブナハスジドングリフシの先端は鈍く丸まっているのですが、多くの本州産ブナハスジドングリフシの先端はお送りいただいた写真のように尖っています。虫えい図鑑に掲載されているブナハスジドングリフシの写真は九州産(鹿児島県紫尾山産)ですので、先端が鈍く丸まっています。また、このゴールの色は6-7月位までは緑色なのですが、7-8月にかけて赤く色づき9月には褐色に変色します。そののち10月上中旬にはゴールが葉から脱落します。地上に落下したゴール内で蛹で越冬し、翌春産卵します。

コメント2363のその3の写真のゴールはおっしゃるようにブナハベリホソフシです。
このゴールを形成するタマバエの種名は未同定です。
このゴールを形成するタマバエの生活史は不明な点が多いのですが、9月の下旬にはゴールが
葉から脱落してしまいます。ゴールが小さい、そしてこのゴールはあまり高密度で
形成されないこともあり、成虫を羽化させるに必要な数のゴールを林床から拾うことは極めて困難です。
例えば、先のMikiola glandariaを羽化させたときは春先に半日以上かかって300個程
のゴールを林床から拾って、結局実験室で羽化したのは10個体程で、ほとんどのゴールは空でした。
ともあれ、生活史が不明のブナタマバエ類は皆このような何らかの事情を抱えていますが、
今後も研究を続けていきたいと考えております。

やや話が脱線してしまいましたが、他にご質問等ございましたら、お手数ですがご連絡いただけますと
幸いです。

佐藤信輔


2016/08/08(Mon) 21:41 No.2367
Re: ブナの虫えいについて 投稿者:Tominaga

佐藤信輔 先生:詳細なご説明をいただきありがとうございます。
その2のブナハスジドングリフシは、形成される位置がブナハツノフシと違っていたのですね。
図鑑の写真と印象が違ったので、形だけで判断してしまいました。


2016/08/08(Mon) 22:02 No.2368
Re: ブナの虫えいについて 投稿者:Tominaga

佐藤信輔 先生:先ほどは途中で誤って投稿してしまいすみませんでした。
(続き)また、地域によって形に変異があるというのは面白いです。今回はたまたま落ちていた枝に3種類の虫えいを見つけましたが、実際は木の上ですので普通にみることはできませんので、たいへんなご研究だと思います。またブナの虫えいを見つける機会がありましたらご教示お願いします。

湯川先生:今回も取り次ぎをしていただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。


2016/07/31(Sun) 23:48 No.2358
カマツカハイボフシでしょうか 投稿者:Tominaga

奈良公園でイチイガシの虫えいを観察していたときに、近くのカマツカ(バラ科)で虫えいをみつけました。形が特徴的なのでカマツカハイボフシ(C−308)と思いますがどうでしょうか。

寄主植物:カマツカ
撮影年月日:2016年7月17日/奈良県奈良市
 

2016/08/02(Tue) 14:08 No.2359
Re: カマツカハイボフシでしょうか 投稿者:湯川淳一

Tominaga 様:ご投稿有難うございました。ご賢察の通り、この虫えいはカマツカハイボフシ (C-3080)です。これまで、千葉県、和歌山県、岡山県、徳島県、福岡県、宮崎県、鹿児島県で発見されとりました。奈良県で初めて見つかったことになります。

3齢幼虫が虫えいから脱出して、地上で越冬し、翌年のカマツカの新葉の時期に成虫が羽化すると考えています。まだ、成虫が得られていませんので、残念ながら、タマバエの属や種の同定がなされていません。

なお、虫えい番号は、末尾に数字を1桁付け加え、新しく発見された虫えいに対応するようにしております。図鑑に掲載されているものは、すべて、末尾に 0 を付けています。


2016/08/02(Tue) 22:24 No.2360
Re: カマツカハイボフシでしょうか 投稿者:Tominaga

湯川先生、ご教示ただきありがとうございました。虫えい番号の件、了解しました。
それでは今後ともよろしくお願いします。


2016/07/25(Mon) 22:08 No.2352
サイカチの虫えいでしょうか 投稿者:Tominaga

奈良公園のサイカチで虫えいらしきものをみつけました。『虫えい図鑑』で調べると、サイカチハオレフシ(C−342)ではないかと思いましたが、キジラミは見つかりませんでした。宮武先生の論文をみますと虫えいの形は似ていましたが、分布域が違うようです。ご教示お願いします。

寄主植物:サイカチ
撮影年月日:2016年7月17日/奈良県奈良市
 

2016/07/27(Wed) 16:55 No.2353
Re: サイカチの虫えいでしょうか 投稿者:湯川淳一

Tomonaga 様:ご投稿、誠に有難うございました。ご賢察の通り、サイカチには、キジラミのゴールがありますので、そうかも知れません。確認のため、キジラミのご専門の宮武頼夫先生にコメントをお願いすることに致します。少し、お待ち下さい。

2016/07/27(Wed) 17:31 No.2354
Re: サイカチの虫えいでしょうか 投稿者:宮武頼夫

Tominagaさん これはサイカチハオレフシで、サイカチマダラキジラミの虫癭に間違いありません。奈良公園の国立博物館の前の木ですね。ここでは、もう20年くらい前に見つけているのですが、正式に公表していません。6−7月に1化が出ると思うので、丹念に見れば成虫が見つかると思います。また、秋にも2化が出るので、9月ころだったと思います。トゲが凄いので、なかなかネットで丹念にスウィープ出来ませんが、終齢幼虫はゴールから出てきて羽化しますので、小さくても肉眼でも分かると思います。あと、神奈川県や島根県などでも見つかっていますね。

2016/07/28(Thu) 21:24 No.2356
Re: サイカチの虫えいでしょうか 投稿者:Tominaga

宮武頼夫先生:ご教示ありがとうございました。奈良公園の情報を公表?してしまい申し訳ありません。奈良公園に行く機会がありましたらキジラミの成虫を探してみます。
湯川先生:いつも配慮いただき感謝しております。
ところで奈良公園のサイカチは植栽起源と思いますが、近畿地方で野生のものを見る機会は非常に少ないです。そのためか各府県のレッドデータブックに記載されており、近畿では京都、兵庫、奈良、和歌山で取り上げられています。京都では亀岡市の保津川沿いで大木を見たことがありますが、探せば虫えいがみつかるかもしれません。宮武先生に教えていただいた島根県では、サイカチマダラキジラミとサイカチの両方とも県のレッドデータブックに記載されていますね。
寄主の密度が非常に低いということはキジラミの分布も限定されるので、もし奈良公園のサイカチが無くなったらどうなるのか心配です。


2016/07/21(Thu) 17:20 No.2343
セイヨウタンポポハフクレフシ(仮称) 投稿者:南 常雄

 「タンポポハフクレフシ D-0840」と同様のゴールが、セイヨウタンポポに形成されていました。観察地では、複数の株でみられ、1枚の葉に数個〜数十個のゴールが形成されています。葉裏のゴールの底部は表皮だけで、中の幼虫が透けて見えます。ゴールは径4〜6mm、幼虫室は径2〜3mm、葉表にわずかに膨れていますが、肥厚はしていません。3齢幼虫の前胸部に、淡褐色の細いY字形の胸骨があります。ゴールから脱出した3齢幼虫はジャンプせず、良く土に潜ります。
 タンポポハフクレフシの複数寄主の1つかと思われますが、帰化種なので「セイヨウタンポポハフクレフシ(仮称)」としました。(写真は葉の裏側です)


寄主植物:セイヨウタンポポ
撮影年月日:2016年7月18日/北海道旭川市
 

2016/07/22(Fri) 13:04 No.2345
Re: セイヨウタンポポハフクレフシ(仮称) 投稿者:湯川淳一

南 常雄 様:セイヨウタンポポハフクレフシ(仮称)のご投稿、大変興味深く拝見致しました。タンポポハフクレフシ(D-0840) とそっくりですね。恐らく、同一種のタマバエによるものだと思います。ご提案の通り、セイヨウタンポポハフクレフシ (D-0840b) としましょう。タンポポの方は、D-0840a とします。タンポポのゴールは、これまで、北海道と岩手県、新潟県で知られています。

帰化植物に、在来種のタマバエが寄主範囲を拡大して、ゴール形成に成功した例は非常に少ないです。例えば、北米では、Solidago 属に多数のタマバエゴールが見つかっていますが、日本では、アキノキリンソウとオオアキノキリンソウにタマバエが1種いるだけで、侵入したセイタカアワダチソウには、タマバエのゴールは見つかっていません。普通の植食性昆虫に比べて、ゴール形成者は、たとえ同属植物であっても、直ちに、外来植物に寄主範囲を拡大ができないのではないかと考えられています。しかし、含まれる化学物質やフェノロジーとの同時生などの相性が良ければ、拡大する可能性はあります。その証拠に、外来ヨモギにヨモギエボシタマバエが、ヨウシュヤマゴボウにハリオタマバエの一種がゴールを形成することなどが分かって来ました。今回のセイヨウタンポポのゴールの発見は、寄主範囲拡大の貴重な例となるでしょう。

なお、ハリエンジュとハリエンジュタマバエや、ブルーベリーを加害するブルーベリータマバエは、植物もタマバエも外来種ですから、在来種の寄主範囲拡大の例には当てはまりません。

これからは、外来植物にも注目ですね。


2016/07/22(Fri) 16:52 No.2348
Re: セイヨウタンポポハフクレフシ(仮称) 投稿者:南 常雄

湯川先生、そうそう、ご教示ならびにゴール名、ゴール番号をたまわり、ありがとうございます。
セイヨウタンポポの葉には、紫褐色の円班状の菌えいがあるので、今まで気にも留めていなかったのですが、発見したときは別の寄主と誤認したために、葉の裏側を観察しました。当初、寄主がセイヨウタンポポだとは考えませんでしたが、別な場所でもゴールが見つかり、寄主をセイヨウタンポポと同定することができました。3齢幼虫の標本と、羽化用に数十匹の幼虫を得ることができました。後日、幼虫の99%エタノール標本は、他の標本といっしょに郵送いたします。


2016/07/22(Fri) 18:43 No.2350
Re: セイヨウタンポポハフクレフシ(仮称) 投稿者:湯川淳一

南 常雄 様:セイヨウタンポポハフクレフシから沢山の幼虫が得られた由、ご投稿下さり有難うございました。幼虫がジャンプしないことと、Y 字型の胸骨があるとの情報も、大変興味深いです。少なくとも、Contarinia 属ではないことが分かりますし、Lasioptera 属や Asphondylia 属でないことも分かります。Dasineura の仲間でしょうか? 幼虫を拝見するのを楽しみにしています。

2016/07/16(Sat) 20:02 No.2329
お教えください 投稿者:高橋正明

ウダイカンバの虫えいかと思います
ウダイカンバムレトサカフシでよろしいでしょうか


寄主植物:ウダイカンバ
撮影年月日:2016年7月15日/新潟県湯沢町
 

2016/07/17(Sun) 11:38 No.2332
Re: お教えください 投稿者:湯川淳一

高橋正明様:ご投稿、誠に有難うございます。アブラムシのご専門の先生に連絡致します。少し、お待ち頂けますれば幸いです。

2016/07/17(Sun) 18:46 No.2336
Re: お教えください 投稿者:青木重幸

ウダイカンバの葉のゴールですが、まず間違いなくマンサクイガフシアブラムシHamamelistes miyabeiのゴールでしょう。マンサクとの間を移住するので、アブラムシの和名のほうには「マンサク」が付いています。ゴール名は「ウダイカンバムレトサカフシ」ですね。共同研究者にDNA解析をしてもらってようやくマンサクの世代との対応がついた種でした。ウダイカンバのゴールで生産される有翅虫の一部は、マンサクに戻らず、ウダイカンバに飛んで行って越冬幼虫を産むことがわかっています。

2016/07/17(Sun) 21:24 No.2338
Re: お教えください 投稿者:湯川淳一

青木重幸先生:早速のコメントを誠に有難うございました。

2016/07/19(Tue) 07:11 No.2342
Re: お教えください 投稿者:高橋正明

湯川先生 青木先生 大変ありがとうございました
また よろしくお願い申し上げます


2016/07/16(Sat) 11:18 No.2325
ミミナグサメフクレフシ(仮称) 投稿者:南 常雄

 ミミナグサの葉に形成されるゴールで、茎頂の2〜3節の成長が阻害され、葉が球形ないし卵形に湾曲します。湾曲した葉は肥厚して堅くなり、表面にやや長い白毛が密生します。対生する葉の縁は密着して幼虫室を形成し、中に白色の幼虫が1〜3匹入っていて、3齢幼虫の前胸部に、淡褐色の胸骨があります。胸骨は細いY字状で、基部は細く尖ります。
 なお本ゴールは、ミミナグサが初夏に花を咲かせる茎の根元、または地表をはう茎からのびる側枝の頂部に形成されます。


寄主植物:ミミナグサ
撮影年月日:2016年7月15日/北海道旭川市
 

2016/07/16(Sat) 11:19 No.2326
Re: ミミナグサメフクレフシ(仮称) 投稿者:南 常雄

ゴールは苞や萼にも形成され形状は異なりますが、同時期に同じ株内に混じって形成されることが多くあります

寄主植物:ミミナグサ
撮影年月日:2016年7月15日/北海道旭川市


2016/07/16(Sat) 18:21 No.2327
Re: ミミナグサメフクレフシ(仮称) 投稿者:湯川淳一

南 常雄 様:大変珍しいゴールのご投稿を有難うございました。ゴール形成場所は様々なようですが、代表的な部位を選んで、ミミナグサメフクレフシのご提案に賛成致します。ゴール番号は、C-2429 にしましょう。ナデシコ科のゴールが増えていくのは、喜ばしいことです。幼虫標本を拝見するのを楽しみにしています。

2016/07/16(Sat) 22:22 No.2330
Re: ミミナグサメフクレフシ(仮称) 投稿者:南 常雄

湯川先生、そうそうコメントならびに、ご教示をたまわり、ありがとうございます。またゴールの名称に、ご賛同いただき、ありがとうございます。さっそく一覧表に追加いたしました。
北海道でも、本州で記録されているゴールの寄主が分布しますし、他のナデシコ科にも可能性がありそうですので、これを機会にナデシコ科を注意して観察したいと思います。


2016/07/15(Fri) 22:35 No.2320
ハマオトコヨモギメハナガタフシ 投稿者:南 常雄

 7月8日に採集したゴールから、13日に雌成虫が羽化しました。越冬世代の産卵によって形成された、今シーズン最初のゴールです。ハマオトコヨモギが 25〜30cmに伸びた茎頂の初期の蕾に形成されたもので、径 8〜10mmと小型です。次世代は8月、そして越冬世代は9月にゴールが成熟します。
 昨年は8月からの観察で、8月と9月の2世代しか観察できませんでしたが、7月に形成されたゴールから成虫が羽化したことで、年3世代が確認できました。
 ハマオトコヨモギメハナガタフシからのタマバエの羽化は、ゴールから蛹が半身のりだしておこなわれ、ゴールの頂部に蛹殻が残されます。


寄主植物:ハマオトコヨモギ
撮影年月日:2016年7月8日/北海道網走市
 

2016/07/17(Sun) 11:50 No.2333
Re: ハマオトコヨモギメハナガタフシ 投稿者:湯川淳一

南 常雄 様:ハマオトコヨモギメハナガタフシ D-0742d から、成虫が羽化したとのご報告に加え、羽化の様子や、年間世代数なども判明し、大変嬉しく存じます。オトコヨモギやカワラヨモギ、ヒメヨモギに類似のゴールを形成するタマバエは、ヨモギハナガタタマバエ Rhopalomyia artemisiae (Bouche, 1834) と同定されています。ハマオトコヨモギのタマバエも、恐らく、同一種と思われます。成虫の形態を拝見させて頂けますのを楽しみにしております。

2016/07/17(Sun) 17:19 No.2334
Re: ハマオトコヨモギメハナガタフシ 投稿者:南 常雄

湯川先生、そうそう、コメントならびにご教示をたまわり、ありがとうございます。
今回、採集したゴールから、雌成虫が羽化しましたので、後日、郵送いたします。
昨年、9月下旬に採集したゴールからは、脱出した数十匹の3齢幼虫を越冬飼育したのですが、失敗しましたので、再度挑戦しようと思います。


2016/07/17(Sun) 21:23 No.2337
Re: ハマオトコヨモギメハナガタフシ 投稿者:湯川淳一

南 常雄 様:ご連絡有難うございました。先ほどの私のコメントを訂正させて頂きます。以前、このゴールから得られた幼虫を送って頂いており、その時に幼虫の胸骨を確認しております。Rhopalomyia 属のタマバエの幼虫には、通常、胸骨がありませんので、ハマオトコヨモギのタマバエを Rhopalomyia artemisiae (Bouche, 1834) と同定することはできません。オトコヨモギとヒメヨモギのゴールの形成者を、R. artemisiae と同定されたのは、進士織平先生ですが、私はこれらの寄主植物のゴールの幼虫を、まだ、確認できていませんので、将来の課題として残っています。以前の記録を即座に思い出せなくて、失礼いたしました。

2016/07/17(Sun) 21:35 No.2339
Re: ハマオトコヨモギメハナガタフシ 投稿者:南 常雄

湯川先生、ご教示をありがとうございます。
更に、観察を続けたい思います。


2016/07/13(Wed) 17:07 No.2310
ハナイカダミフクレフシ 投稿者:小川

箱根の活動拠点で、ハナイカダミフクレフシを探しあてました。
観察場所では、正常果の他に蛹の抜け殻が落下して出口が空洞になった虫えい、蛹の抜け殻が残った虫えいが各々観察できました。その中から採取した虫えいは、直径が約8mm、2つの蛹の抜け殻がきれいに残っており、切断すると空になった虫室が2部屋あることが判りました。

添付写真は次の4構成で、内容は以下のとおりです。
写真1(左上):蛹の抜け殻が2つ残っていた果実部の虫えい(直径 約8mm)
写真2(右上):虫えい上部から糸で支えられている蛹の抜け殻
写真3(左下):虫えい切断面(2つの虫室)
写真4(右下):形成者と思われる蛹の抜け殻(全身 約3o)

本虫えいの形成者名、生態、分布など図鑑で勉強させて戴きましたが、今回観察した蛹の抜け殻が、虫えい形成者「ハナイカダミタマバエ」のものであるか否かが確認できておりません。写真での判断は非常に難しいものと考えますが、可能であればご教示を戴きたく、宜しくお願い申し上げます。



寄主植物:ハナイカダ
撮影年月日:2016年07月12日/神奈川県足柄下郡箱根町
 

2016/07/14(Thu) 19:01 No.2313
Re: ハナイカダミフクレフシ 投稿者:湯川淳一

小川様:ハナイカダミフクレフシのご投稿、誠に有難うございました。これまで、鹿児島県、宮崎県、福岡県、京都府、山梨県で見つかっていました。神奈川県からは初めてです。写真の蛹の抜け殻はハナイカダミタマバエ Asphondylia sp. のものです。頭部が少し欠損しています。

このタマバエは、季節によって、寄主植物を交代する種です。この時期に羽化したタマバエの成虫が、どの植物の、どの部位に産卵して、幼虫がいつまでその植物で過ごすのか、まったく不明です。また、ハナイカダの開花時期に、どこで越冬したタマバエが産卵に訪れるのかも不明です。

これまで、色々な植物のゴールから採集した Asphondulia 属のタマバエの幼虫の DNA を解析し、合致するものがあれば、そのタマバエの夏寄主や冬寄主を決定してきました。例えば、ダイズサヤタマバエ Asphondylia yushimai は夏〜秋寄主として、ダイズやマメ科植物の莢にゴールを作り、秋〜冬寄主としては、バクチノキ(バラ科)やヒイラギ(モクセイ科)の実にゴールを形成して、1年の生活環を完成させています。
また、ノブドウミタマバエの冬寄主部位は、スイカズラ科のウツギ類の冬芽です。

これまで、シラキやブドウ、ホオズキ類、アセビ、ヤブコウジ、ヘクソカズラ、ムラサキシキブ、シオデなど、多くの夏寄主植物で幼虫が得られていますが、冬寄主植物の候補が少なく、キヅタくらいしか見つかっていません。秋から冬にかけて、実のゴールや、芽のゴールを探す必要があります。

このタマバエは、夜行性で、飛翔能力も高く、交代寄主植物は遠くにある可能性もあります。もし、何か見つかりましたら、よろしくお願い致します。


2016/07/15(Fri) 17:03 No.2319
Re: ハナイカダミフクレフシ 投稿者:小川

湯川先生
ご多忙の中、ご教示を戴き感謝申し上げます。本虫えいを一緒に観察した仲間から「蛹の抜け殻は、寄生バチの可能性もあるのではないか?」との意見もあり、投稿させて戴きました。おかげさまで問題を解決することができ、本当に喜んでおります。未熟ではありますが、活動拠点での虫えい探しと観察で、新しいご報告ができればと考えております。今後とも宜しくお願い申し上げます。有難うございました。


2016/07/22(Fri) 13:29 No.2346
Re: ハナイカダミフクレフシ 投稿者:湯川淳一

小川様:「蛹の抜け殻は、寄生バチの可能性もあるのではないか?」というご意見があったとのことでしたので、追加でコメントさせていただきます。

ゴールから蛹の半身を乗り出して羽化するのはタマバエだけです。幼虫が、あらかじめ、羽化に必要な小孔を開けて、薄い膜を残しておきます。蛹は頭部の突起でこの膜を突き破り、半身を乗り出して羽化します。タマバエの蛹殻は数日間、そのままゴールに残されますが、やがて落下します。

一方、外部寄生蜂はゴール内で羽化し、口器で穴を開けて脱出します。寄主の幼虫を殺しているので、羽化孔を利用することができませんから、自分で穴を空ける必要があるのです。寄生蜂の蛹の抜け殻の断片が、ゴール内に残されます。内部寄生蜂はタマバエの幼虫を使って囲蛹を形成し、ゴール内で羽化します。この時も、囲蛹の断片がゴール内に残されます。

このような性質を利用して、野外のゴール観察で、蛹殻が残されている比較的大きな羽化孔と、蛹殻の残されていない、比較的小さな脱出口を区別して数えることにより、ゴールを解剖しないでも、およその寄生率を推定することができます。観察会でも、このようなデータが取れることを体験していただくのも良いことだと思います。

今回は、樹上に残されたゴールからのタマバエや寄生蜂の羽化についてコメントさせていただきましたが、幼虫がゴールから脱出して、地中で越冬し、翌春に地中で蛹化するタマバエもいますので、これらについては、調査は困難です。


2016/07/10(Sun) 18:31 No.2308
奈良公園でみた虫えい 投稿者:Tominaga

奈良市で用事があり、それをすませたあと奈良公園に立ち寄りました。セミの声がうるさく、ヒメハルゼミの大合唱も聞かれました。たまたまエゴノキを見ていたら、エゴノネコアシの他に枝に大きくふくれた虫えいがありました。アブラムシによるものと思われ、虫えいには小さな穴があいていて、ちょうど虫えいの下の地面は黒っぽく汚れていてアリが集まっていました。おそらく甘露が落ちているためでしょう。
『虫えい図鑑』を見ましたが該当するものがなく、いろいろ調べて『虫こぶ入門増補版』および『インセクタリゥム』の「エゴノキにできた大きな虫こぶ」にたどり着きました。『インセクタリゥム』の写真をみると似ているので、おそらくこれのようです。ヤドリギアブラムシがつくっているとのことで、近辺で確認されているヤドリギ、オオバヤドリギ、マツグミも観察してみる必要がありそうですが、いかんせん高いところにあるので難しいです。
もう一つイチイガシの葉の表面に丸い虫えいを見つけました。直径4mmほどでつやがあり、色は赤紫色がかった緑色で、表面にまばらに短毛が生えていました。『虫えい図鑑』をみると、カシハコタマフシが似ているように思いました。


寄主植物:エゴノキ
撮影年月日:2016年7月9日/奈良県奈良市
 

2016/07/13(Wed) 16:56 No.2309
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:南 常雄

Tominaga様、ご投稿ありがとうございます。
話は違うのですが、先にご投稿いただいたナデシコ科のゴールに関連するミミナグサで、今日、メフクレフシを観察することができました。中に2齢幼虫が入っていました。更に観察を要しますが、形成タマバエは多化性であることが確認できたと思います。シーズン初めのゴールは7月、次世代は8月に形成されます。寄主の生態を考えると更に9月にも、ゴールが形成される可能性がありそうです。


2016/07/13(Wed) 22:43 No.2311
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:Tominaga

南 常雄様、ミミナグサのゴールの件、ご教示ありがとうございます。ミミナグサは越冬性の一年草ですので、今できているということは種子から芽生えたものにできているということですね。ノミノフスマやミヤマハコベは多年草ですので冬以外はいつでもありますが、ミミナグサの場合は開花後いったん枯れますので、その間どうしているのでしょうか。

イチイガシの虫えいの写真を載せます。ピンボケで申し訳ありません。この週末にでも再度観察に行ってみます。


寄主植物:イチイガシ
撮影年月日:2016年7月9日/奈良県奈良市


2016/07/14(Thu) 12:07 No.2312
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:南 常雄

 ミミナグサの花が咲いた茎は結実後に枯れますが、地表にはっている茎や下部の節から側枝を出します。これにゴールが形成されます。地域性もあるかも知れませんが、側枝は秋まで成長し、地表近くに残っている側枝は枯れないで越冬するものが多く、株を数年維持しつづけて多年性をしめします。

2016/07/14(Thu) 19:25 No.2314
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:湯川淳一

Tomonaga 様:ご投稿、誠に有難うございました。アブラムシとタマバチの専門家に連絡し、コメントをお願いします。

2016/07/14(Thu) 21:58 No.2315
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:Tominaga

湯川先生、いつもご配慮いただきありがとうございます。
南 常雄様、北海道のミミナグサの生態をご教示いただき勉強になります。こちらでは外来植物のオランダミミナグサが多く、ミミナグサを見かけることがそれほど多くないため、詳しく観察していませんでした。場所によって生態が違うようですね。
調べてみると北海道には多年草のオオミミナグサがあるそうですが、これも奇主になっているのでしょうか。オランダミミナグサにもできるかどうか気になります。ご報告お待ちしています。


2016/07/14(Thu) 21:59 No.2316
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:青木重幸

これはヤドリギアブラムシTuberaphis coreana のゴールで間違いないと思います。2年生のゴールだと推測しているのですが、珍しいゴールなので、なかなかできたてのゴールに当たらず、確認がとれていません。2次寄主はヤドリギViscum albumで、こちらにはゴールは形成しませんが、わりと綺麗なアブラムシです。

2016/07/14(Thu) 23:11 No.2317
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:南 常雄

現在、ゴールが見つかっているのは、ミミナグサだけです。

2016/07/15(Fri) 09:19 No.2318
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:阿部芳久

Tominaga様  イチイガシの葉の虫えいは、その形からタマバチにより形成されたものと思います。御指摘のように『虫えい図鑑』のカシハコタマフシ(アラカシに形成されます)によく似ていますが、この虫えいの形成蜂も未記載です。なお、図鑑で桝田先生が述べておられるように進士博士がカシハコタマフシの形成蜂として記載したタマバチは同居蜂であり、Wachi et al. (2011)によってAndricusからUfoに属が移されました。

2016/07/15(Fri) 22:53 No.2321
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:Tominaga

青木重幸様、エゴノキの虫えい形成者の確認ありがとうございました。奈良公園周辺で他にも虫えいがないか探してみます。また、ヤドリギアブラムシの観察もしたいと思います。
ところでこの虫えいの呼び方は決まっていないのでしょうか。『虫こぶ入門増補版』で薄葉さんが「エゴノキオオサンゴフシとでも呼ぼうか!」と書いていますので、仮にこの名前で呼んでもよいでしょうか。
なお、ウェブページで検索すると『虫えい図鑑』に載っている「エゴノキエダオオタマフシ」(写真なし)と混同している人もいるようです。
余談ですが、かなり前に青木様の『兵隊を持ったアブラムシ』を読ませていただきました。また読んでみたいと思います。


2016/07/15(Fri) 22:56 No.2322
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:Tominaga

南 常雄様、早速のお答ありがとうございました。
こちらでもミミナグサの虫えいを探してみたいと思います。


2016/07/15(Fri) 23:11 No.2323
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:Tominaga

阿部芳久様、イチイガシの虫えいについてご教示いただきありがとうございました。タマバチの虫えいで、形成者のほかに同居者がいるということを初めて知りました。羽化してきたタマバチがどちらであるか判断が難しいのですね。今後も観察を続けてみます。
過去ログ(No.165〜)にイチイガシの葉裏にできるタマバチの虫えいの話がありましたが、葉の裏と表では形成者は異なるものなのでしょうか。
今回の虫えいの形成者はまだ未記載種であるとのこと、今後の研究に期待しております。


2016/07/16(Sat) 18:24 No.2328
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:湯川淳一

青木重幸先生、阿部芳久先生:ご多忙中のところ、コメントを頂き、誠に有難うございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

2016/07/18(Mon) 22:11 No.2341
「エゴノキにできた大きな虫こぶ」続報 投稿者:Tominaga

奈良公園でみた「エゴノキにできた大きな虫こぶ」は、青木先生にヤドリギアブラムシによるものと教えていただきました。この虫こぶが周辺にないか探したところ、最初に確認したエゴノキに合計5個(枯れているもの1個含む)、ほか2本にそれぞれ1個ずつできているのを確認しました。他のエゴノキも10本ほど探しましたが見つかりませんでした。
次に、植物観察会の下見のために桜で有名な吉野山に行ったのですが、桜にヤドリギが多数寄生していたのでもしかするとと思い気をつけていたところ、5-6本株立ちになったエゴノキに20個以上の虫こぶができているのを見つけました。近づけなかったので遠くから写真を撮ることしかできませんでした。添付した写真には10個ぐらい映っていると思います。


寄主植物:エゴノキ
撮影年月日:2016年7月18日/奈良県吉野町


2016/07/21(Thu) 22:17 No.2344
Re: 奈良公園でみた虫えい(続き) 投稿者:Tominaga

奈良公園で「エゴノキにできた大きな虫こぶ」以外の虫えいも見てきましたので報告します。
先に紹介しましたイチイガシの葉表の虫えいは、その後特に変化していませんでした(写真1)。よく見ていると葉裏にも虫えいがありました(写真2)。過去ログを調べると、MさんがNo.342で投稿されている写真のものに似ていました。葉表のほうは当年葉に1個ずつできていますが、葉裏のほうは古い葉に数個がかたまって見つかりました。葉裏の虫えいは夏以降に新しくできるものなのでしょうか。
それから林縁部のカマツカ(バラ科)の葉に虫えいが見つかりました。形が特徴的なのでカマツカイボフシ(C−308)だと思います(写真3)。あと奈良国立博物館付近にあるサイカチ(マメ科)の葉に虫えいがありました。中を見てみましたが何もいませんでした。『虫えい図鑑』で調べるとサイカチハオレフシ(C−342)ではないかと思います。これはサイカチマダラキジラミによるもので、参考文献に宮武先生のお名前がありました。奈良ではサイカチ自体少ないので、どのような生活をしているのか気になります。


寄主植物:イチイガシほか
撮影年月日:2016年7月17日/奈良県奈良市


2016/07/22(Fri) 13:47 No.2347
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:湯川淳一

Tomonaga 様:大変興味深い虫えいのご投稿を有難うございます。二つお願いがございます。続編をご投稿くださる場合でも、新しい情報として、新たに投稿していただけますと、見逃さずに拝見することができます。もう一つ、お願いです。複数の虫えいをひとまとめにするのではなく、虫えいの種類ごとに、別々にタイトルをつけてご投稿いただけますと、写真も大きくなり、見やすくなりますし、それぞれのご専門の先生も、コメントしやすくなります。
面倒なことを申し上げまして済みませんが、よろしくご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。


2016/07/22(Fri) 17:03 No.2349
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:南 常雄

Tomonaga 様、まいまいご投稿を、ありがとうございます。
本掲示板では、過去のご投稿の検索がしやすいように、アルバムのページを作っています。ご投稿の際に、題名を寄主またはゴール名にしていただくと、検索が容易になります。画像の大きさには制限はありませんが、データー量は500KBまでとしています。ご遠慮なく、新しいスレッドを立ち上げてください。また迷惑投稿を防止するため、投稿日によるソートはいたしておりませんので、ご了承ください。


2016/07/24(Sun) 23:25 No.2351
Re: 奈良公園でみた虫えい 投稿者:Tominaga

湯川先生、南 常雄様、ご迷惑をおかけしてすみません。
今後の投稿はご指示の通りにしたいと思いますのでよろしくお願いします。


2016/07/02(Sat) 22:49 No.2303
ミヤマハコベの虫えい 投稿者:Tominaga

徳島県の標高800m付近の山地で、ミヤマハコベの芽の部分がふくらんでいる虫えいを見ました。ミヤマハコベは谷沿い斜面地の落葉広葉樹林の林床やギャップに群生しており、その所々に虫えいが見つかりました。虫えい内には白い幼虫がいました。
これは以前に教えていただいたノミノフスマメフクレフシと同じものでしょうか。


寄主植物:ミヤマハコベ
撮影年月日:2016年7月1日/徳島県三好市西祖谷山村
 

2016/07/03(Sun) 22:06 No.2304
Re: ミヤマハコベの虫えい 投稿者:湯川淳一

Tomonaga 様:ご投稿、誠に有難うございました。松江市や広島県で発見されたノミノフスマメフクレフシに似ています。植物も同属ですので、形成者のタマバエも同一種である可能性が高いと思います。しかし、最終確認は、DNA 解析が必要です。虫えい和名を「ミヤマハコベメフクレフシ」とし、番号を C-2428b としましょう。ノミノフスマは、 C-2428a となります。ナデシコ科の虫こぶの種類は多くありませんので、貴重な発見と言えます。今後ともよろしくお願い申し上げます。


2016/07/06(Wed) 23:28 No.2306
Re: ミヤマハコベの虫えい 投稿者:Tominaga

湯川先生、ご教示ありがとうございました。ミヤマハコベの虫えいは今まで気がつきませんでした。かなりの面積で群生していたので、みつかる確率が高くなったのかもしれません。しかし、残念ながら今後徳島県に行く機会がありませんので、奈良県周辺で見つけるしかないようです。今後も気をつけて探してみます。

2016/07/17(Sun) 00:18 No.2331
Re: ミヤマハコベの虫えい 投稿者:Tominaga

「ミヤマハコベメフクレフシ」を奈良県の山地でも見つけました。標高840m付近のスギ植林の落葉広葉樹が混じる谷筋で、ミヤマハコベの群生地ではなかったのですがある程度まとまって生えているところで何とか数個を確認しました。ただ、時期が遅いためか虫えいの中には何もいませんでした。
写真の虫えいの後ろに少し見えているものは虫えいのわきから出ている花のつぼみですが、開花時期は過ぎていますのでこのまま咲かないで終わるものかもしれません。
その他、この山地ではエゴノキメフクレフシ、エゴノネコアシなども見られました。


寄主植物:ミヤマハコベ
撮影年月日:2016年7月16日/奈良県御杖村


2016/07/17(Sun) 17:33 No.2335
Re: ミヤマハコベの虫えい 投稿者:南 常雄

このゴールは、前回ご投稿いただいたころに形成された可能性はないでしょうか。こちらで観察しているミミナグサでは、ゴールが殻になったのちも長期間、生色をたもち脱落したりしないようです。また、えい化しなかった蕾などは、ゴールの近くにあっても加害されずに、普通に生長するものが多いようです。
ナデシコ科の多くは花期が長いので、早期に伸長した側枝などの頂部には、秋まで花を咲かせると思います。
こちらでは、平地でもミヤマハコベが観察できそうなので、ミヤマハコベメフクレフシを探してみます。


2016/07/17(Sun) 22:08 No.2340
Re: ミヤマハコベの虫えい 投稿者:Tominaga

南 常雄様、コメントありがとうございます。今回確認した虫えいは、おっしゃる通り7月初めには形成されていたと思います。
こちらではミヤマハコベは春に開花しますが、今回のつぼみは図鑑で調べてみると花柄は短いのでどうも閉鎖花のようです。徳島県でみたものもよく見ると閉鎖花と思われるつぼみがありました。ミヤマハコベの場合、春先は開放花でその後は閉鎖花を付けるということのようです。また、環境が悪いと開放花は付けず閉鎖花しか付けないのかもしれません。
あとハコベ類で気になるのはサワハコベやヤマハコベでしょうか。今後も気を付けてみます。


2016/06/21(Tue) 22:02 No.2287
オオカモメヅルの虫えい他 投稿者:Tominaga

先日奈良県の山に植物観察に行ってきましたところ、いくつか虫えいを確認しましたので報告します。
エゴノキが満開で花冠が地上に多数落ちており、そのなかに混じって円くふくらんだ虫えいもみられました。『虫えい図鑑』で調べたところ、エゴノキのつぼみにできるエゴノキツボミフクレフシでした。
それからオオカモメヅル(オオカモメヅル属)の芽に虫えいができていました(写真1段目)。オオカモメヅルは数本かたまって生えていましたが、そのほとんどに虫えいができていました。これは以前、No.2192でhal-co様が投稿されました「クサナギオゴケの虫えい」と同じタマバエによるものでしょうか?

あと番外として、虫えいかどうか迷ったものにサワギクの頭花が少しいびつに変形しているものがありました(写真2段目)。割ってみるとハエの仲間らしい幼虫が1匹いました。また、別のものでは穴が空いており褐色のさなぎの繭が見えていました。これはミバエの仲間でしょうか。
正常な頭花と比べて大きくふくらんでいるということはなく、総苞片が変形して曲がっているぐらいで、さらに中の幼虫の成長によりふくらんでいるだけですので、虫えいとは言えないですね。No.2073でNabita様が投稿されました「シラヤマギクのツボミフクレフシ」でのやりとりをみて判断が難しいことがよくわかりました。


寄主植物:オオカモメヅル
撮影年月日:2016年6月18日/奈良県御杖村
 

2016/06/24(Fri) 21:43 No.2290
Re: オオカモメヅルの虫えい他 投稿者:Nabita

Tominagaさん、毎度のご投稿ありがとうございます。湯川先生はお忙しいようで、掲示板においでにならないので、僭越ながらお返事を差し上げます。オオカモメヅルのは、オオカメヅルメフクレフシと思われます。この掲示板のバナーにある「リンク集」をクリックすると、右下に管理人の南さんが運営する「北海道の虫えい(虫こぶ)」がありますので、そこのキョウチクトウ科のページをご覧ください。

サワギクの方は、おっしゃるとおりミバエ科の可能性が濃厚です。そのまま容器に入れておくだけで羽化が期待できます。これが虫えいかどうかは微妙な部分がありますが、Tephritis属のように頭花に寄生しても外見の変形がないものもありますし、私が昨年投稿したParatephritis属のように多少とも変形するものもあります。ミバエ科のケブカミバエ亜科には、ヨモギマルフシミバエやオナガミバエ属のように、争いのない虫えいを作るものがありますので、蕾・花が変形するものは、私は虫えいと見なして良いと考えています。変形しないものでは、アザミやコウゾリナの頭果を割ってみれば、キイロケブカミバエやコウゾリナケブカミバエの幼虫〜蛹殻を簡単に見つけられると思います。アザミの頭果にはゴボウゾウムシ属もよくいますね。


2016/06/28(Tue) 01:41 No.2295
Re: オオカモメヅルの虫えい他 投稿者:Tominaga

Nabita様、コメントありがとうございます。さっそく南さんの「北海道の虫えい(虫こぶ)」を拝見させていただきました。オオカモメヅルメフクレフシに間違いないですね。
採取してきた虫えいを切ってみると、幼虫が3匹いましたがすぐに外に出てきて徘徊しています。

サワギクのミバエ科はこれまで気がつきませんでした。アザミ属の花を採取して押し葉標本にするために新聞に挟んでいると、時々ミバエ科の成虫が出てきてびっくりすることはありました。繭をいくつか採取して容器に入れていますので、羽化するのを待ちたいと思います。



寄主植物:
撮影年月日:年月日/


2016/06/28(Tue) 16:44 No.2297
Re: オオカモメヅルの虫えい他 投稿者:湯川淳一

Tomonaga 様:回答が遅くなり申しわけございません。オオカモメヅルの虫えいは、Nabita さんがおっしゃる通りオオカモメヅルメフクレフシだと思います。形成者であるタマバエの方は、恐らく、同一種である可能性が極めて高いのですが、同属植物の同一器官に類似の虫えいを形成するタマバエでも、別種の場合もありますので、最終的には DNA 解析によって、決定しています。

サワギクのミバエにつきましては、ミバエの専門家に、この掲示板を見て頂いて、コメント頂けるように手配を致します。

奈良県の虫えい形成者相につきましては、橿原の宮武先生がキジラミを調査しておられるかもしれませんが、その他の昆虫につきましては、ほとんど、資料がありませんので、今後ともよろしくお願い申し上げます。


2016/06/29(Wed) 21:50 No.2300
Re: オオカモメヅルの虫えい他 投稿者:末吉昌宏

ミバエの研究をしている末吉昌宏と申します。湯川先生からの紹介で記事を拝見しました。

ケブカミバエ類が寄生した頭花だと思います。成虫を見てみたいので、上手く羽化しましたらまた写真を上げていただけたら幸いです。


2016/07/02(Sat) 22:32 No.2302
Re: オオカモメヅルの虫えい他 投稿者:Tominaga

湯川先生、オオカモメヅルの虫えいについてご教示いただきありがとうございました。また、サワギクのミバエについても専門家に紹介していただきありがとうございました。
御杖村にはまた行く機会がありますので、オオカモメヅルメフクレフシのその後の状況を観察してみたいと思います。
宮武先生には、以前に大阪市立自然史博物館(omnh)のメーリングリストでコウガイゼキショウ類にできる虫えいについて教えていただいたことがあります。奈良県には自然史系の博物館がないのが残念です。

末吉昌宏 様、記事を見ていただきありがとうございます。
出張に行っている間に、8個あった繭のすべてから成虫が羽化していました。写真を撮りましたが、普通のデジカメで接写していますので、あまりきれいではないことご了承ください。
私が絵合わせで見た感じでは、オグルマケブカミバエに似ていると思いました。
ご確認よろしくお願いします。






寄主植物:
撮影年月日:年月日/


2016/07/04(Mon) 19:44 No.2305
Re: オオカモメヅルの虫えい他 投稿者:末吉昌宏

サワギクから羽化したミバエはオグルマケブカミバエ Orotava hamula です。これまでに、オカオグルマ、ヤブレガサが寄主植物として記録されています。未発表ですが、オタカラコウからも羽化させたことがあります。以前、本種がサワギクの花に集まっているのを見たことがあります。そんなこともあるかなと思っていましたが、寄主植物でしたね。もし、そのお気持ちがありましたら、どこかに新しい寄主植物の記録として発表してみてはいかがでしょうか。

2016/07/06(Wed) 23:54 No.2307
Re: オオカモメヅルの虫えい他 投稿者:Tominaga

末吉昌宏 様、ミバエの同定をしていただきありがとうございました。オグルマケブカミバエと名前が付いているのにオカオグルマが奇主として記録されているのですね。古いほうの学名をみると、種小名にsenecionisとあるのでSenecio属で発見されたようですが、オグルマはSenecio属ではないのに和名につけているのが不思議です。オカオグルマやサワギクは春、ヤブレガサやオタカラコウは夏から秋に花をつけるので、年中みられるということでしょうか。ミバエを採取したサワギクの近くにはオタカラコウの群生地もありますので、秋にも探してみたいと思います。

新しい奇主植物の記録としてはできれば発表したいと考えていますが、昆虫に関しては素人ですので末吉 様に相談に乗っていただければと思います。ご迷惑でなければよろしくお願いします。


2016/06/21(Tue) 21:07 No.2285
ケヤキの葉のゴール 投稿者:Nabita

ハルニレにハチヂミ・ハオレフシ型のゴールが見つかったので、同属のオヒョウや同科のケヤキを探していたら、ケヤキのハチヂミ・ハオレフシ型のゴールがありました。
葉の中肋部で表面側に折れていて、若い葉では葉身全体の縮みも見られます。


寄主植物:ケヤキ
撮影年月日:2016年6月18日/青森県階上町
 

2016/06/21(Tue) 21:09 No.2286
Re: ケヤキの葉のゴール 投稿者:Nabita

採集して来たゴール葉を開くと、内部にタマバエ幼虫がいました。1枚目写真の右側に写っている、葉身の縮みが弱い葉には1幼虫のみが残っていて、他は脱出済みのようでした。より若い葉には複数の幼虫が寄生していて、写真の左側の次節の葉には、若い白色幼虫と、老熟幼虫と思われる橙色の幼虫がいました。その次の節の葉には、最も多くの幼虫が寄生していて、1枚で14頭を数えました。

寄主植物:
撮影年月日:年月日/


2016/06/28(Tue) 17:08 No.2298
Re: ケヤキの葉のゴール 投稿者:湯川淳一

Narita 様:ケヤキにも、ハルニレハオレフシに似たゴールが見つかった由、初めてですね。写真では良く分かりませんが、幼虫も似ているかもしれません。しかし、植物の異なりますので、タマバエは別種の可能性も捨て切れません。DNA 解析が必要です。新ゴール和名は、ケヤキハオレフシ C−2079 にしましょう。

2016/06/28(Tue) 20:58 No.2299
Re: ケヤキの葉のゴール 投稿者:Nabita

湯川先生、お忙しいところゴール和名の提案とゴール番号の付与、誠にありがとうございます。
返信以外は、この掲示板への投稿を控えることにしました。


2016/06/20(Mon) 18:49 No.2283
アカネの茎に形成された虫えい 投稿者:小川

本年5月16日に初投稿、湯川先生から「ヒメシャラハミャクコブフシ」を教えて戴いた、箱根パークボランティアの小川です。今回は、「アカネの茎に形成された虫えい」について投稿させて戴きました。活動拠点である箱根の芦ノ湖湖尻園地で、アカネの茎(対生の葉と托葉のつけね部)が不定型な球形に膨れた、白色の虫えい(10〜15o位4個、10o以下3個 計7個)見つけ、一本の茎に2個の虫えい(10〜15o位)が形成されていたアカネを茎から採取しました。各々の虫えいを切断し、内部観察しましたが、根本側の茎に形成された虫えいで、元気な一匹の薄黄色い幼虫を確認することができ、写真撮影を行いました。

観察写真は次の4構成で、その内容は以下の通りです。
写真1(左上):アカネの虫えい(現地で撮影、左側の虫えいが根本側です。)
写真2(右上):茎の根本側についていた少し小さめの虫えいを上下に切断した写真
写真3(左下):虫えい切断面から顔をだした1匹の薄黄色い幼虫
写真4(右下):虫えいから脱出して這い回る1匹の薄黄色い幼虫、体長は2o程度
不鮮明であれば再度送付いたしますので、ご連絡をお願い致します。

アカネの虫えいについて、「アカネツボミフクレフシ」は本掲示板で勉強させて戴きました。しかし、この虫えいの名称及び形成者と思われる薄黄色の幼虫名が不明のため、ご教示お願いする次第であります。
宜しくお願い申し上げます。



寄主植物:アカネ科アカネ
撮影年月日:2016年06月19日/神奈川県足柄下郡箱根町
 

2016/06/28(Tue) 16:31 No.2296
Re: アカネの茎に形成された虫えい 投稿者:湯川淳一

小川様:アカネの茎に形成された虫えいのご投稿を有難うございました。アカネ科の植物には、タマバエによる20種類以上の虫えいが見つかっていますが、茎に形成されたこのような虫えいを、私は今まで見たことがありませんでした。新発見虫えいだと思います。もし、よろしければ、もう少し大きな(解像度の高い)虫えいと幼虫の写真を、私宛にお送り頂けないでしょうか。新しい虫えい和名を考えたいと思います。また、幼虫が Lasioptera 属のものかどうかも確認させて頂きたいと思います。

ちなみに、アカネ科では、ヘクソカズラの蔓に、Lasioptera paederiae と言うタマバエが紡錘形の虫えいを形成します。

よろしくお願い申し上げます。


2016/06/30(Thu) 22:14 No.2301
Re: アカネの茎に形成された虫えい 投稿者:湯川淳一

小川様:早速、アカネの虫えいとタマバエの幼虫の写真をお送り下さり誠に有難うございました。

虫えいの写真を拝見しますと、虫えいが形成されている部位は頂芽と腋芽のようです。最初は、茎の虫えいとして探していましたので見つかりませんでしたが、頂芽と腋芽の虫えいですと、アカネ科には、アカネや、オオバヤエムグラ、カワラマツバ、キクムグラ、クルマムグラ、ヤエムグラに、写真に類似のアカネメフクレフシと言う虫えいが見つかっています。恐らく、この虫えいだと思います。

幼虫は、背面の写真でしたので、胸部腹面の胸骨と呼ばれる部分の形状が分かりませんでしたが、幼虫全体の形状から、Lasioptera 属ではないことが分かりました。これまで、これらの植物のメフクレフシは、北海道、茨城県、山梨県、長野県、福岡県、佐賀県などで見つかっています。

大変貴重な情報をご投稿ださり感謝申し上げます。お陰様で、この虫えいの新しい分布地域と幼虫の形状を確認することができ大変喜んでおります。今後とも、引き続き掲示板のご活用をよろしくお願い申し上げます。




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